2015年より始動したクラブチッタの新シリーズ、その名も<ザ・ベスト・オブ・イタリアン・ロック>。


これまでクラブチッタは数多くの海外アーティストの招聘を実現させて来たが、イタリアン・ロックに関しては、2002年のPFM(27年ぶりの来日公演!)を皮切りに、2005年のアルティ・エ・メスティエリ、2006年のニュー・トロルス、2007年のバンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ、2008年のオパス・アヴァントラ、2010年のオザンナ、2011年からは3度のイタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル、そして2013年にはイタリアン・ロック・ヒストリーを開催するなど、総勢19組に及ぶアーティストたちが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。また、日本では実現不可能と言われたイタリアン・ロック・フェスの開催は各方面に衝撃を与え、さらにその興奮はイタリア本国へも飛び火し、遂にはイタリアのバンド自らが名乗りを上げるまでとなり、現在に至るイタリアン・ロックの来日公演ブームの仕掛け人としての役割を十二分に果たして来た。


未知のアーティストにとっては、ロック・フェスの有効性は限りなく高い。ショウケースという、いわゆる“顔見せ公演”としての可能性を広げてくれるからだ。


一方、フェスティヴァルではそのアーティストの表面のみを知ることしか出来ないため、必然的にもっと聴きたい、もっと知りたいという欲望が湧いて来る。


今度はお気に入りのひとつのバンドを徹底的に食いつぶしてみたくなる、というのが人情だろう。


そこでクラブチッタが新たな挑戦として打ち出したのが、この“ザ・ベスト・オブ・イタリアン・ロック”シリーズとなるのだ。


クラブチッタはこれまでの経験を活かし、過去に招聘したアーティスト、あるいは未だ見ぬ重要アーティストの中から厳選に厳選を重ねてチョイスし、日本のファンのためだけに編成された特別なメンバー構成、そして特別なセット・リストによる一夜限りのプレミアム・コンサート・シリーズを立ち上げた。


通常の単独でのコンサートと、このシリーズの決定的な違いは、ずばり“一発勝負”であること。

つまりフェスティヴァル形式と同じように、1回限りの公演にすべてを賭けなければならない緊張感あふれるコンサートになるのだ。

このシリーズに選ばれるということは、すなわちイタリアン・ロックの殿堂であるクラブチッタがそのアーティストに対して<ベスト・オブ>の称号を授与することに値する。

これは10年以上にわたってイタリアン・ロック公演を実現させ続けて来たクラブチッタにしか出来ないことなのだ。


日本のみの特別なセット・リストで最高のライヴ・パフォーマンスを披露することを主旨に始まったザ・ベスト・オブ・イタリアン・ロック。その記念すべき10回目を飾るクラウディオ・シモネッティズ・ゴブリンの2020年公演は、残念ながらコロナ禍の影響を受けて1年先に延期となった。本来であれば5年連続という、イタリアン・ロック界では未曾有の偉業を達成するはずだった公演なだけに、早くも来年に向けてシモネッティが意気込みを見せてくれている。なんと言っても今回の演目となる『フェノミナ』は日本でも大ヒットした美少女ホラー映画の代表格であり、シモネッティズ・ゴブリンの生演奏付きで見られるのはこの機会のみの限定上映であるうえ、映画全編を彼らが演奏するのは初めてということから、なおさらシモネッティには特別な想いが込められているという。

また第二部では「ベスト・オブ・ホラー・ヒッツ」と「ベスト・オブ・ダリオ・アルジェント」とテーマを分け、秘蔵曲や日本初演曲を交えながらホラー・サウンドトラック三昧の二夜を予定しているほか、シリーズ恒例のチケット購入者特典CDも2日間で異なる内容で用意されるというリピーター大歓迎の準備も整っている。もしかすると今後1年間かけて内容を練り直し、何か大きなサプライズを用意してくれるかもしれないと勝手に期待に胸が膨らんでしまう、そんな1年後のシモネッティズ・ゴブリン公演を心待ちにしたい。


片山伸 http://www.italianmusic.jp/